(正解)
1)ガー族の者が真実を言っているとすると、ナーの言葉(真実)からイーも真実を
述べていることになり、ナーはパー族となって矛盾する。
2)ラー族の者が真実を述べているとすると、同様にイーの供述(真実)からナーの
述べることが前半と後半で真偽が異なり矛盾。
3)ここで、パー族の者もウソをついているとすると、イーかナーがパー族の者にな
るが、イーがパー族の場合、イーの言葉(偽)からはグーもナーもラー族となり、
グーの供述(偽)からアーもラー族となって、ガー族が一人もいなくなる。
また、ナーは自分自身の言葉(偽)及びアーの言葉(偽)より、ガー族でもラー
族でもないし、イーの言葉(偽)からパー族でもない、つまりどの部族でもなく
なってしまい、ともに矛盾する。従ってパー族のものだけが真実を述べている。
すなはちグーとアーの両方もしくは一方だけが真実を述べていることになる。
4)グーの言葉が真実だとするとアーはガー族で、従ってその言葉は偽だから、ナー
はラー族ではない。またナー自身の言葉(偽)からガー族でもないので残るパー
族となるが、これは偽であるイーの供述と矛盾する。
5)アーの供述が真実のとき、ナーはラー族、ナーの言葉よりイーはガー族、イーの
言葉よりグーもラー族となり、イーの後半の供述及びグーの言も矛盾しない。
整理すると、
イー(ウソをついている):ガー族のスパイ
グー( 〃 ):ラー族 〃
アー(正直に述べている):パー族 〃
ナー(ウソをついている):ラー族 〃 となる。
先生、解けましたよ! グーグルメールで送っておきますね。^-^ノ~
*
ピポポ…ン♪
先生「お、来たきた。なるほど、こうなっていたか! うん、ご苦労さん」
「族長! 判りましたよ。どうです? 私のこの聡明な頭脳に係ればこんな
問題くらい朝飯前、チョチョイのチョイですよ。うふん♪」
族長「・・・・・・」
彼らと暫らく過ごすうち、チャールズ先生は奇妙なことに気がついた。これらスパ
イたちには、彼らの部族特有の顕著な外見上の特徴が、ある筈のそれが、全く見て
とれないのだ! その痕跡が皆無なのだ。潜入先であるこのゴス族の者と、まるで
見分けがつかないのである。
持ち前の探究心から彼は、ついにその謎を突き止めた。彼ら三部族の、部族特有の
身体的特徴は、それぞれの部族固有の主食である「カベニミミ蟻」「オメガタ貝」
「クチハッ蝶」の各食材に由来していたのである。
各々の生物に含まれるある種の成分が、対応する器官を掌る神経に作用し、その恒
常的な緊張が外的特徴の遺伝的形質を獲得せしめるまでに至ったものと思われる。
ところが、ゴス族の主食である「ハナガ菊」には、嗅覚の向上作用に加え、末梢神
経全般の緊張を鎮める、一種の鎮静剤としての働きがあるらしい。それは、スパイ
たちの「目の充血が取れた」「耳鳴りが改善された」「食欲が増進した」等の証言
にも端的に表れている。(注)
これによって、あらかじめスパイとして潜入する前に、これを主として食して体質
改善を図っておけばゴス族のように整った顔立ちに戻り、ゴス族以外の部族に潜入
する場合には、さらにその部族の主食をある程度長い期間常食すればよいのである。
同時に、早く周囲に溶け込もうとする強い意志の作用も影響しているかもしれない。
いずれにしても、自然界の用意したこれら特殊な作用を持つ生物群を巧みに選択す
ることに成功した部族のみが、この過酷な生存競争に打ち勝ち種を存続させるとい
う栄誉を得るのであろう。
チャールズ先生は、これら一連の考察に大変満足し、それを急ぎ論文に纏めるべく
帰国したい旨伝えると、族長はスパイ判定のお礼にと、来島の当初の目的であった
豆の種を探してきて持たせてくれた。
「ソラマメは?」
「・・・・」
「何これ? スイートピーの種・・・ どういうことよ!?」
そそくさと書斎に退散して、チャールズ先生、急ぎ論文に取り掛かった。
(注)彼は、例えば http://starletlife.com/top/seibun/kiku1.htm
あたりの資料を参考にしたのではないかと想像される。
グーグル号に乗って来た甲斐があったようだ。
*
「ふん、相変わらず役立たずなダンナね。ぐずぐずしてるからメンデルに先越さ
れちゃったじゃないの。まあいいわ、これを送りましょ。
・・・何なに? ”on The Organ of Spies by Meals for Neural Sedation, or
the Preservation of Favoured Faces in the Struggle for・・・”
『神経系…鎮静のための食事による、つまり生存競争に於いて有利な顔つき
の維持による間諜の器官について』・・・・・・?? 何のこっちゃら!
普段から、思い出せない綴りは必要以上に追求せず辞書を引くようにとあれ程
言ってあるのに、しょうがないわね。今度も私が書き直し?
ええと、スパイ…? 笑っちゃうわね。ここはスピーシズ…種と、当然こうで
しょうが! ・・・これでよし! 早速このタイトルで学会に送りましょう」
”on The Origin of Species by Means of Natural Selection,
or the Preservation of Favoured Races in the Struggle for Life ”
『自然選択による、すなはち生存競争に於いて有利な
レースの存続することによる種の起源についてーC.ダーウィン著』
*
ーあらゆる学問の歴史は一人の女の心の中で始まるー
ウィラ・キャザー jiji訳
The history of every country begins in the heart
of a man or a woman. ーWilla Cather
あら? 訳文がいくぶん正確さに欠けていたかしら・・・・(白々しい) ^-^;
尚、ほぼ同時代を生きた遺伝学の祖メンデルは、ダーウィンの存在を知っており
彼の著書を読み評価していたとの記述もあるようだが、ダーウィンが生前メンデ
ルの実験を知ることはなく、喉から手が出るほど欲しかった「遺伝の法則」の発
見の栄誉は彼にではなく、この13年5ヶ月歳下のオーストリア(現チェコ・モラヴィ
ア)生まれの一祭司に与えられることになるのである。 (←ここ、まじめ)