「バル」と「ダ」 ~ その2

(問題)

ある島に、村民全員が必ず本当のことを言う「北村」と、全員が必ず嘘をつく「南村」がありました。が、外見ではどちらの村民かは区別できません。また、この村の人たちは、家族は必ず一緒の村に属しています。
この島では、現地語で「はい」と「いいえ」を「バル」と「ダ」で言い表すことはわかっていましたが、どちらがどちらかを表すのかはわかっていませんでした。
ある日、この島で殺人事件が起き、島民の1人が容疑者としてつかまりました。その容疑者の嫌疑を確かめるため、島外から裁判官が来訪し、3人の島民(裁判官は3人それぞれが、北村・南村どちらの村民なのか知りませんでした。)に証言を求めたところ、3人はそれぞれ次のように答えました。

裁判官 「Aさんに聞きます。容疑者は無実ですか」
A 「バル」

裁判官 「Bさんに聞きます。この島で『バル』とはどういう意味なのですか」
B 「『はい』という意味」

裁判官 「Cさんに聞きます。AさんとBさんとは、兄弟なのですか」
C 「いいえ」

裁判官 「もう一つCさんに聞きます。容疑者は無実ですか」
C 「はい」

さて、以上の証言から、
(1) 容疑者の有罪・無罪
(2) AとBとは、同じ村の人か
(3) A、B、Cそれぞれ、どちらの村の人か
が、わかるでしょうか。分かるならその答えも書いてください。

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「バル」と「ダ」 ~ その2」への回答 1件

  1. 忙しくて手を付けるの忘れてたー。

    このシリーズ、なぜ「バル」と「ダ」だけが外部の人と通じないのか、
    どうしても現実的に考えるとパズル以上に難解な謎となってしまうと
    思いつつ、別に非現実的でも論理に全然支障はないので解きます。
    場合分けで成立するかを確かめていきましょう。

    容疑者が無実の場合、かつAが正直な場合。
    Aは正直なので「バル」は「はい」の意味となり、
    それを証言したBも正直、容疑者の無実を肯定したCも正直。
    同村でも兄弟である必要はないので、矛盾なく成立。

    容疑者が無実の場合、かつAが嘘つきの場合。
    Aは嘘つきなので「バル」は「いいえ」の意味でBも嘘つき。
    容疑者の無実を肯定したCのみが正直となり成立。
    やはりAとBは同村だが兄弟である必要はない。

    容疑者が犯人で、Aが正直なら、
    Aは「いいえ」と言うので「バル」は「いいえ」。
    そのためBは嘘つきで、容疑者が無実と言うCも嘘つき。
    ここで、Aが正直、Bが嘘つきなので、この2人は家族ではないが、
    嘘つきCが「AとBは兄弟ではない」と真実を言ってしまっており
    矛盾してしまうため、これはあり得ない。

    最後に、容疑者が犯人かつAが嘘つきなら、
    容疑者の無実をAが肯定するはずなので「バル」は「はい」。
    Bは正直になり、容疑者の無実を主張するCは嘘つき。
    嘘つきのCが否定しているので、AとBが兄弟となってしまうが、
    やはりAとBは嘘つきと正直なので家族ではなく矛盾となる。

    よって、問題の条件が成立するのは容疑者が無実の場合。
    当てはまる事例2つを見ると、AとBは必ず同村。
    2人がどちらの村かはわからないが、Cは正直で確定する。

    【A】
    (1) 容疑者は無罪
    (2) AとBは、同じ村の人
    (3) Cは正直なので北村、AとBはどちらかわからない